多くの経営者が、コンプライアンスに関心がないわけではないのに、従業員にはコンプライアンスの話をめったにしない。言わなくても分かっていると思っているのだろうが、たいていのことは言わないと分からないものだ。経営者が業績の話ばかりしていると、従業員は業績のために不正を犯す。そのとき、経営者は従業員を守れない。不正を認めたことになってしまうから。年に一度は、コンプライアンスの話をする日を決めてはいかがか。
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担当業務に関する法令は知っておこう
今やコンプライアンス意識はずいぶん高まったが、十数年前はひどいケースもあった。税務調査で交際費の不正な損金計上を指摘されたとき、営業部門責任者が「営業マンが税法を意識せずに済むように、経理部はしっかりサポートせよ」と言った。プロ野球選手は、野球のルールを知らずにプレイすることはない。営業マンも、営業活動に関連する税務、例えば売上高・売上原価、営業経費に関する事項ついては基本を理解しておく必要がある。
深夜のメール発信は困りもの
長時間労働について「上司なら気付けるはずだ」と書いたが、実は気付くことを難しくしている行為がある。深夜の電子メール送信だ。最近はスマホから会社のサーバへ接続してメールの閲覧や送信ができる。自分の受けたメールが深夜の発信時刻だと、まだ仕事をしているのかと心配になる。メール発信も仕事の一部なので、時間外にはしないに越したことはない。上司の立場からは、就業時間外のメール発信はやめてほしいところだろう。
※実際には、自分の部下よりも他社・他部署の人を心配します。上司は分かっているのかもしれません。
長時間労働から従業員を守ろう
NHKが、過去3年間に長時間労働による労災認定(過労死を含む)が複数あったとして当局から行政指導を受けた、というニュースがあった。会社には、従業員の健康や安全を保護するために必要な対策を講じる義務がある。実際にその義務を果たすのは、直接的には上司だ。長時間労働に上司は気付け、ということになる。実際の時間外労働が勤務記録よりもずっと多い状態があれば、上司なら気付けるはずだ。見て見ぬふりをしないことだ。